「ヨードチンキガムDN」 管理人 吉野ナツ 様より
キャラ総出!まさに豪華記念フリー絵って感じですよね!すごいなあ〜と惚れボレします。
ナツ様のイラストはギャグでもシリアスでもセンスが素晴らしくて大好き。月ちゃんが皆に愛されてる
この絵もだいすき。笑
結果、下記のようなssが勝手にくっきましたすみません〜ホスト部…笑。
ナツ様ありがとうございました!これからもサイト運営頑張ってくださいませ!

「ようこそ!ヨードチンキガムDNホスト部、略して新世界へ!」
「なにそれ何の略?!掠りもしてないよ!しかも新世界てベタだなオイイ!!」
仕事の上司に無理矢理ホストクラブに連れてこられた夜神 月24歳(一留年)。
スーツ姿も初々しいフレッシュなリーマン新人である。
そんな彼に入社式当日、ズラリと居並んだ新入社員の中から、日本野鳥の会会員よろしく目ざとくチェックを入れたのは
高田 清美29歳(現役)。
月の直接の上役にあたる立場を最大限に利用し、あたかもお気に入りの可愛いペットを連れ回すかのように、
週末アフターの実地指導に余念がない。
月は、それより仕事の方をちゃんと教えて頂けないだろうか清美先輩…とか内心思っているが
怖くてとても口には出せないでいる。…入社早々パワハラだよ…誰かたすけて…
夜神くんはいずれ私のお嫁さんになるので、仕事なんて覚えなくてもいいんです。
(清美談)
「僕がこの店のオーナー兼ナンバー1である、キラ(源氏名)です。よろしく月」
「あ…どうも…」
月はなんかこのひと自分に似てんなーとか考えつつ恭しく手を取られ手の甲にキスされて、
ホストのお仕事も大変だなあと感心した。男にもサービスするのか。
転職しても楽な仕事はないな。
「違いますナンバー1は私です。間違えないで下さいキラ。
月くん、ナンバー1として私が貴方のお相手をさせて頂きます」
横から、ニュウッと伸びてきた腕に抱き締められて月は長い睫毛をパチパチ瞬いた。
顔を傾けると、ナンバー1が素足で逃げ出すような面妖な猫背の男が、いつの間にかソファの隣に腰かけ
月に妖怪のごとく貼りついている。
「チッ…竜崎。オマエにはコアなファンが多いというか、単にマニア受けしているだけだろうが」
「でも月くんもそのマニアみたいですね。お付き合い宜しくお願いします月くん」
「あ…こちらこそよろしくおねがいします…」
「なにいきなり告ってんの竜崎!なにいきなりOKしてんの月!てかなんで顔が赤いんだ!」
「………竜崎…けっこう好みかも…」
「えええええええええええええ?!」
「ホラこの手のタイプは私の事を好きになるケースが多いんですよ。
大概、容姿端麗で頭脳明晰、恵まれた環境でなに不自由なく過ごしてきた純粋なコドモ。
満たされているがゆえ日常に退屈しきっていて好奇心旺盛、なので他の人間なら見向きもしない珍妙なモノに深く興味を示し、
自分と対照的な相手に惹かれる傾向がある」
「自分をよく理解しているな竜崎…」
「正直になったらどうですかキラ。私のこと好きなクセに」
「ふふふふざけるなあああああああ!だっ…誰がオマエの事なんて一言もっ…
すっすっすっ好きっ…なんてっっ!!」
「言ってるじゃないですか。見事なツンデレっぷりです」
「顔まっかですよ」
ついついノリで一緒にツッコんでしまったら、自分とよく似た綺麗なひとは、可愛らしいくらい取り乱して
ムキになって竜崎に突っかかって二人して客そっちのけでにゃんにゃんジャレ始めたので、
あーヤレヤレ…とアホらしくなった月は、溜息をつきながらテーブルに置かれていたツマミを食べる為に
おしぼりを手に取ろうとした。とき。
「神。御手を」
「は?」
「御手を失礼致します。神」
「は…はあ、あ…どうも…」
スルリ…とごく自然に手を奪われ呆気に取られた月の視線の先には、
控えめだが端整かつ上質な雰囲気を漂わせている男が。
「あのお…」
「魅上と申します神」
「あ…はい、魅上さん…自分で拭けますから…あと僕は神じゃなくて夜神です」
「神の御手を煩わすまでもありません。この魅上、神の召すまま必ず神の期待に添ってみせます。神」
「………」
ウゼエ。ひとの話を聞けよ。
微笑すると、魅力は貴重な宝石を扱うように月の掌を清めだした。
丁寧に指の一本いっぽん、爪先にまで濡れた布を這わす男の動きに、月はゾクリ…と…
快感ではなく寒気を感じた。このひとぜったい潔癖症の神経症だ…こわい………
「魅上!みーかーみー!勝手するんじゃない!月は僕の客だ!」
「いえ月くんは私の恋人です」
我に返ったキラと好き勝手言ってる竜崎が、いっせいに魅上に詰めよる。
「ですがキラ様…キラ様には、あちらの客が先ほどから…」
「誰だ?!」
「キラー!また来ちゃったー!!」
突然現れた少女がキラに力一杯抱きつき、反動でふたりしてゴロゴロとソファに縺れ込んでいった。
小柄で、ツインテールに結んだ金髪にゴスロリっこな服装。
間近で見た月はギョッとした。
え…このこってもしかして…
「ミ、ミサミサ!
駄目だって!仮にもアイドルなんだからキラくん押し倒したりしちゃ!離れてはなれて!!」
「えーもーマッツーやだー邪魔しないでよーあーんキラ二人で布団被っちゃおっかあー?」
「て言いながらミサミサ脱がない!だからってキラくんを脱がせないー!!」
「キラ様ご無事ですか?!キサマ離れろこの下種女!」
「なにようーミサが下種ならアンタなんか下僕じゃん!札束で横面叩いてくれるわー!」
「腐るほど金はありますから無意味です。ミサさんキラから離れてください。
…と言いたい所ですが…お二人が絡んでいる図というのも百合っぽくてなかなか萌えますね…」
「竜崎!ヨダレ垂らして指咥えるな!眺めてないで助けろこの馬鹿!
うわわわミサそこはマジで駄目だから!…ちょっ…ダ、メ…あ………っっ」
「「………」」
思わず固唾を呑んで静観しだしたキラマニアふたりの横で、
「ミサミサ〜〜〜僕クビになっちゃうから〜〜〜」
天下のトップアイドルのマネージャーらしき冴えない男が、涙まじりの情けない声で懇願しているのに
月は改めて、どんな仕事も楽ではないな…としみじみ実感した。
と。その月の横を、音もなく清美が通りすぎた。
アレ…そういえば僕、清美先輩に連れられてこの店来たんだっけ…?
瞬きもせずガン見している竜崎と魅上を、後ろからおもむろに拳で殴り飛ばし、
ソファのうえで衆人環視プレイに勤しむミサを、ヤられかかっているキラの上から蹴つり落とす。
「いったーい!なにすんのよ清美!」
「ミサさん…貴女もうすこし大人のマナーを弁えたら如何?身のほど知らずもいいトコですわ」
「アンタこそ、店の売上げの為にキラに利用されてるだけとも知らずに、いい気なモンね」
「お互い様でしょう。抜け駆けは禁止です」
「だったら一緒にヤればいいじゃん」
「ですわね」
「えええええええ───?!ちょっとなにソレ───?!うわああああああああああ!!」
キラの悲鳴は見事スルーされた。
か弱い小鹿に、ハイエナの如く襲いかかる醜い女たちはどうやら浴びるほど呑んで、したたかに酔っぱらって
いるらしい。漂うアルコールの臭い匂い。
会社では才色兼備なキャリアウーマンとテレビのブラウン管で微笑むアイドルが、
日々のストレスで連日ホストクラブ通いのうえ強姦(攻)乱交………
生ぬるい目で見守りながら、やっぱり世の中、楽な仕事はないな…と月は(以下同文)。
さらに広い店内を観察するみたいに眺めてみる。そこには実に様々な人種がいる。
皮ジャンにレザーパンツを穿いた艶やかな黒髪美人に、ブーツの踵で踏みにじられているスーツ姿の男。
フェロモンむんむんでブランデーグラスを揺らしながら、気障なウィンクを送ってくる外人ホスト。
同じく外人らしい、金髪にヘソだしHG的衣装が痛々しい少年やら、今どきのヤる気なさそーな少年やら
フロアの床に寝転がってオモチャで遊んでいる、パジャマ姿の丸っこい白髪の子供までいる。
まさかアレはホストじゃないだろう…それともああゆう特殊なのが好みの女性もいるのか…?
あ。ボディーガード兼事務方兼世話係の黒服が引きずっていっちゃった。きっと有能だなあのひと。
一晩でなんでもヤれそうなタイプだ。
月たちからは遠く離れた席には、店の薄ぐらい片隅でシッポリ話し込んでいる中年男と初老の男性。
ふうん…ホストクラブにも一人でくる男性客っているのか…あの白髪でタキシードのひとがホストなのかな
渋いなちょっとトキメクな…
………もう片方の客のひと、気のせいかな…気のせいだよな…なんか…父さん、に、 似て、 な い か … ?
「お楽しみ頂いてますか?」
急に声をかけられ、飛びあがるみたいに月はビックリした。
スッと名刺を差し出してきた男は、あまりにも気配を感じさせない相手だった。
「当店の正式なオーナー兼店長を務めています、Lと申します。どうぞお見知りおきを」
「あ…ど、どうも…」
癖のある長めの前髪で隠された瞳。スッキリと伸ばされた背筋等は違うが、どことなくホストの竜崎と似通った、
謎めく魅力を感じる。
不覚にも正直にときめいている月に向かって微笑むと、
「これはこれは綺麗な方だ。不躾を承知で、ウチにスカウトしても宜しいだろうか」
「は…ははは、は…」
「冗談ですよ。まっとうなお勤めの方に失礼をした。
しかしこの店は、世俗の憂さを晴らす場所です。確かに一見、胡散臭かったり変わった連中も居ますが、
みな己に正直に全力で必死に生きている人間ばかりです。
ホストクラブという名に対する偏見だけで、彼らを差別しないでやっては頂けませんか」
「そう…ですね…それは勿論…」
ここは新世界。
理想とは程遠い世知辛い世の中、のさばる悪人に脅され、搾取され、肩身のせまい哀しい思いをしている
か弱く心優しき人間たちが、
一夜の夢と癒しを求めて集い、何もかも忘れて幸福に笑顔になり、明日への希望と活力を取りもどす、
そんなステキな世界。
そうだ。僕の求めているモノが、ここにあるじゃないか。
僕は、誰かをしあわせにする為に生きていきたいんだ。
ライトは皆の幸せを守れる、強い男になれ。父さんもずっとそう言っていたじゃないか。
僕は、ずっとそう、願っていたじゃないか。
「決めました」
オヤ?という顔でLは首を傾げる。月は、店長だという正体不明の男にキッパリ厳かに宣言した。
「僕は、ここに転職します。僕もホストになります!」
「ほう。それはそれは」
「はああああああ?!」
キリリッと生真面目な顔をした初々しくも可愛らしい仔猫の世迷いごとに、周囲の方がひっくり返ったが
一度こうと決めたら来た道は振り返らず前進あるのみなのが、夜神 月。最大の欠点だ。
イッツ・ポジティブシンキング。
「ややややや夜神くん?!あなた仕事は?!てゆうか私は?!」
「わーいわーい!ヤッター清美ざまあみろーミサの勝ちー!ミサ好みのホストが増えたー!」
「歓迎するよ月!一緒に新しい理想のホストクラブを創ろう!(片手を差し出し)」
「いっしょに新しい理想の家庭を築きましょう夜神くん」
「神…なにを考えて…いや神は絶対…私は神の召すままに!」
「ライト!オマエこんな店で何をやっているんだー!!」
「あ。やっぱり父さんだ」
「ギャー!その言葉待ってたの!お兄ちゃんには唯のリーマンなんて勿体ないと思ってたんだよー!
キラさんとふたりでユニット組んで、ホストからアイドルデビューすればいいよいいよ───!!」
「「 粧 裕 ───!!
なんでオマエまでこんな店に居るんだああああああ───!!」」(涙)
かくしてヨードチンキガムDNホスト部、略して新世界は今宵も満員御礼、大盛況。
寂しい貴女、癒されたい貴方。明日という戦場に赴くまえのほんのひと時、
優しい夜闇に宥められ、愉しい夢をみませんか。
ご案内する僕たちが、輝く笑顔でお待ちしております。
ようこそ新世界へ!